民生委員に待遇改善を!

以前町内の役員をやつたことがある。こんなことを言つては実もふたも無いがやりたくてやつた仕事ではない。誰もが同じ気持ちらしく自ら進んで立候補する者はいない。仕方なく各戸が持ち回るといふことになる。僕の場合はいきなり副会長職だつた。仕事の内容は配布物を各班長さんの受け持ち数分に仕分けし、それを配達したり、防犯、火の用心の夜回り、夏のお祭りの準備、実行などであり、任期は1年だつた。その任が解ける頃には会長から民生委員にならないか、といふ打診があつたがこれは丁寧にお断りした。民生委員は名誉職であり、報酬は一切ない。然しその仕事の内容はとてつもなくハードである。町内の会長職の比ではない。都内のある地域では民生委員一人が受け持つ戸数は600件などといふ話も聞く。それだけでも大変な事だ。ましてや一人で600件の悩みや相談事を引き受けるのだから普通だつたら精神をやられてもおかしくないだらう。これで無給なのだからどう考へても算盤が合はない。市町村や国は民生委員に対して活動費や十分な報酬を支払うべきだらう。ボランテイア精神にばかり頼つてゐた結果、民生委員の欠員といふ事態を招いたのは疑いやうがないと思ふのだが・・・。