2012-02-01から1ヶ月間の記事一覧

個人と組織

石月正広氏の【干潟のピンギムヌ】を読み終へた。この小説の前に【鬼押】を読んだ。二つの作品には地理、時代、舞台、内容とも共通するものはない。だが、石月氏は常に個人対組織、石月氏の組織感といふものを描いてゐるのではないかと推測する。これはこの…

ある男のこと

受賞のスピーチで話題になつてゐる人のことが、僕は好きになれない。いや、嫌ひである。彼のことを僕はまるで存じ上げないのであの一件での印象、判断である。彼をどんな言葉に置き換へたら腹に収まるだらうか。皮肉屋、孤高の人、偏屈、エトセトラ。然し、…

STARTING OVER

ジヨン・レノンの最後のアルバムJUST LIKE STARTING OVERのジヤケツトを撮つたのは篠山紀信ではなかつたか。MOTHERやGODなどに強く惹かれてゐた僕は、久しぶりで待望の新作が丸くなつてしまつたやうに感じた。期待が大きかつただけに拍子抜けしたと言つたら…

体に覚へさせる!

僕が学生だつた頃、近世文学といふ授業があつて担当教官はT先生だつた。近松門左衛門が専門だつたと記憶してゐる。面目ない話だが、どんなことを習つたのかまるで覚えていない。苦手だつたし、授業にもきちんと出なかつたのだ。出席カードを誰かに出させてエ…

不運は続く

今年は元旦から気分の悪くなる報せがあり、「この一年大丈夫だらうか」と危惧したのだが、案の定、車を二度壊し、自転車のタイヤが破裂しと散々だつた。早く一月が過ぎないか、二月になればきつと運気も上がつてくるだらうと何の根拠もなく思つてゐたのだが…