不運は続く

今年は元旦から気分の悪くなる報せがあり、「この一年大丈夫だらうか」と危惧したのだが、案の定、車を二度壊し、自転車のタイヤが破裂しと散々だつた。早く一月が過ぎないか、二月になればきつと運気も上がつてくるだらうと何の根拠もなく思つてゐたのだが、願ひも空しく早速災難である。自宅に帰ると我が家の塀に向かつて立小便をしてゐる輩がいるではないか!これは黙つて見過ごす訳には行かない。すかさず注意するとなんとこの男、意味不明な反論をしてくるではないか。「あんただつてしたことあるだらう」だの「あんたは一体何なんだ。教育者か」「裁判でもかけろ」だの所謂逆ぎれである。素直に謝れば済ませてやるつもりが、この態度の悪さにこちらも穏やかではなくなる。相手は酔つ払つてゐてすえた臭いとともに下らない言葉を吐く。年の頃は五十台半ばといつたところだらうか。酒の所為もあるにしろあまりにも情けない大人である。月の初めからこんな奴に付き合はなければならなかつたのだから僕の不運の連鎖はまだまだ断ち切れてないやうだ。