ぎつくり腰と犬の悪霊

先週の火曜日、つまり五月七日から体調が優れない。具体的には腰痛に悩まされてゐる。朝の出掛けにぎつくり腰の様な痛みが始まつた。膏薬などで一時的に良くなりかけたものの今朝はまた痛みがあり、時折右足の爪先まで痺れる感じがある。最初の腰痛は二十歳の頃だつた。草野球で投球練習(アンダースローのノーコン投手だつた)がきつかけだつた。その後幾度も腰痛にはなつたもののここ暫くは再発しなかつた。実に十年以上ぶりの腰痛である。僕は物事には必ず何らかの理由があると考へる。では今回の久方ぶりの腰痛は何が原因なのだらう。最近の生活で変わつたことに思ひ巡らすと二つの変化があつた。一つ目は原付バイクに乗り始めたことだ。四月の末に実家から貰ひ受けてから殆ど毎日これに乗つてゐる。確かバイクは腰痛の原因に成り得ると聞いたことがあるのでこれが原因かも知れない。二つ目は犬の悪霊が憑いたのかも知れない。最近頻繁に犬の夢やノコの夢を見る。一昨日はミニチユア・ダツクス・フンドの子犬を拾つた夢を見た。それもただのダツクスではない。まるつきりの牛柄なのだ。今朝はノコが現れ、生きるか死ぬかといふ夢だつた。いちいち記録してゐるわけではないが、犬の夢の出現回数は尋常ではないと感じてゐる。僕は悪霊などは元来馬鹿にする方で信じちやいないのだが、たまたま日曜の朝に見たテレビで【いとうせいこう氏】が以前犬の悪霊にとりつかれた経験を語つてゐるのを目にした。悪霊に憑かれたらお祓ひだの除霊だのしてもらふのが普通なのだらうが、彼は犬の霊を飼ひ慣らし、共生することを選んださうだ。馬鹿げた話ではあるが実に面白く感心した記憶がある。そのことを思ひ出し、ひよつとしたら犬の夢と腰痛は悪霊の啓示なのではと連想した。さて、腰が痛むのは辛く困るのだが、相手が犬の霊だと犬好きの僕としては邪険に出来ない。お祓ひ、除霊などはもつてのほかである。うまく折り合ひをつけて共存、共栄の道を探るべく思案中である。