五番街のマリーといふ曲の中でこんな小節があります。
♪五番街で住んだ頃は 長い髪をしてた♪
この五番街での「で」が気になりました。
僕などは文才もセンスもありませんから、五番街「に」としてしまふでせう。作つたご本人は既に亡くなられましたし、ご存命であつたとしても直接訊ねる手立てはないのでこの「で」にどんな思ひを込めて作られたのかは知る由もありません。
この「で」を「に」にすると、何だか限定的なニユアンスになります。
それを「で」にすることにより当時から現在までの時間の流れのやうな
ものを想起することが出来ます。男女の関係としては終わつてしまつても マリーのことが気にかかるといふ微妙な気持ちを表現するには「に」ではなく「で」であることが必要だつたのでせうね。