ローライ35TE


他人からの預かり物です。この頃のカメラはいいですね。
現在のデジカメと違つて撮影するためには幾つかの儀式?を経ねばなりません。
フイルムの感度を合はせ、フイルム室を開け、スプールに噛ませ、レンズを引き出し固定させ、目測で距離計を決めて・・・そしてやつとシヤツターを切ります。撮影後にも儀式があつて、フイルムを巻き上げ、レンズ横のボタンを押しながらレンズの固定を解除させ、レンズを沈胴させます。押せば写る今のものしか知らない人はシヨツクを受けるかも知れません。
昔、中学生の修学旅行の撮影で京都に行きました。学生はタクシーで自分たちの見学したい場所へ向かふのですが、こちらはバスでの移動です。大きなカメラ・バツグに三脚を持つてバスに乗り込むと乗客の中の一人に話しかけられました。話の内容は失念しましたが、彼はバツグの中からローライ35を取り出して見せてくれました。スナツプ写真を撮るの趣味でいつもこいつを持つて出歩くのさ、といつたことを話してくれたことは不思議と忘れません。