時事問題

人は時に嘘をついたりします。相手を慮っての嘘だったり、自己防衛のためだったり、人を笑わせるためだったり、逆に人を傷つけるためだったり。嘘をついてはいけません。子供の頃からよく言われてきました。いい嘘、悪い嘘の区別がつかないうちは基本は嘘をついてはいけません、という躾でいいのだと思います。子はやがて色々な世界を知り、自分と他人との区別がわかるようになり、いわゆる分別がつくようになれば自ずと嘘の功罪を知り、その使い方もコントロール出来るようになるものなんでしょう。この国はそうやって今までなんとなくうまくやってこれたのだと思います。それは自分も含めて多くの人々の民度というか
共通の意識、つまり常識というものがある程度の水準にあってみんながそれから外れたことに嫌悪感や恥ずかしいという感情を感じていた時代だったと思います。では今はどうなのか?自分の保身のための嘘が横行しています。誰でも自分がかわいいのは同じです。然し
大人の嘘には必ず立場が付いてきます。会社の代表者しかり、為政者しかり。嘘をついてでも自分を守りたい、という気持ちはよく分かります。然しそれが許されるのは立場のない子供だけです。ある経営者は「何処の誰かわららない人に会社を買われるのがイヤならば上場しなければいい」と言いました。このセンテンスだけを考えれば間違っていません。ですが、人のものが欲しいばっかりにさも自分に力があるように見せかけ、人を信じさせるにたる書類を作り、人からお金を集め、その資金で人の会社を買い漁る。またある会社の経営者は”性善説”を引き合いに出し、「免許のある人間がこのようなことをすることは想定していない」旨の発言をしました。私達も性善説を信じたく思います。まさか国からの委託を受けた検査会社、それも国の仕事を長年してきた人間を幹部に据えた会社が検査せずに許可を
乱発するなどということは想定外なのです。人に対してついた嘘は、もし嘘が永遠に発覚しなければやがて本当になる可能性もわずかですが残っています。然し、自分に対してついた
嘘はついた時点で自分には発覚しているのですから永遠に嘘のままです。