事件

連日少年の重大犯罪の事件が報道されている。昔に較べて未成年による重大犯罪が増加しているのかどうかは統計の結果を待つ必要があるが、感覚的にはほぼ毎日のようにどこかの未成年が誰かを殺しているような印象である。ここ最近では16,7歳の少年の犯行が多いように思う。当たり前の話だが彼らは生まれてからたかだか16、7年間生きただけである。その彼らが人を殺める。普通の人間ならば当然殺してやりたい相手がいても実行の前にブレーキがかかる。ブレーキは善悪を判断する理性だったり、生き物の命を奪うことに対する恐れだったりといくつかの複合的な制動装置の筈である。しかしどうも彼らにはそのブレーキがついていないのではないかと思える。 今月の29日に戸塚ヨットスクールの元校長戸塚氏が刑期を終え出所する。彼は以前子供に人格などない、と主張していた。人格は元々人間に備わっているものではないと言う。乱暴な話のように聞こえるが少年がイライラしたとかむかついたとかの理由で人を殺す事件を見聞きする度に戸塚氏の言葉が私には重い意味を持って感じられる。もし子供にもともと人格が備わっているとすれば、彼らは元々殺人犯としての人格を持っていたことになってしまうからである。私はそうは思いたくはない。氏の言うように
社会が子供に善悪、常識、倫理、思いやりなどをしっかり教えこまなければ真の人格など備わらない。これ以上ブレーキのない暴走車を社会は作ってはならない。