銀行として

金融庁が地銀40行に公的資金の注入を決めたという報道があった。世界的な景気低迷により地銀の自己資本比率の目減りを解消し、貸し渋りなどを防ぐのが目的という。バブル景気崩壊の時もそうだったが、銀行は銀行としての社会的な役割を果たしてしているのだろうか?預金者には無いに等しい金利しか支払わず、かといって低利のお金を事業者の存続、育成にも回さない。浮ついたペーパーだけの証券に投資して最後はゲームに負けて損失を出す。いつの頃か業界では独自の与信判断をしないようになり、担保価値しか考えない。そして与信する能力も無くしてしまった。判断は保障会社に任せ、担保を持つ人、つまり借りたくも無い人に貸し、借りたい人には貸さない。銀行家としての職務を忘れてゲーム・プレーヤーになっている感が否めない。人からお金を集めて、何もせずに横流しし、利鞘を稼ぐ輩に成り下がっている。お金の持つ力、有効な使い方を知っていなければならない人間ならば初心に返り銀行とは何かを今一度考えて欲しい。