昔欲しかったモノ

口ではモノに溢れた生活を否定する僕だが、その実モノの中にどっぷりと浸かっている部分もある。昔欲しくても買えなかったものを少しずつ買い求めた結果である。例えばナショナルのクーガーというBCLラジオ。当時通産省グッドデザイン賞を獲ったラジオで正面に大きなスピーカーがそえられたデザインが斬新だった。これは欲張ってヤフオクで2台買った。他にも小学生の時の恩師が持っているのを見て憧れたニコンFとF2。Fのクロームは父親から譲り受け、その後ブラックを手に入れた。F2もクロームのアイレベルとブラックのフォトミックファインダーを各一台。F3を1台,F4を2台(一台はやはり父親から譲り受けた)F5,F6を各一台。キャノンF1(前期)を1台等々。どうも好きなモノは一つだけでなく複数欲しくなるのは僕だけだろうか?そういえばまだCDなんてものがなかった時代、気に入ったレコードは2枚欲しくて仕方なかった記憶がある。1枚は視聴用、もう一枚は未使用のままで持っていたかった。実際はそこまでするほどのお金は持ち合わせていないので1枚しか買えなかったのだが・・・。
ともかく男はいつまでも「おもちゃ」を必要とする生き物のようである。僕の欲しくても手に入れることが出来なかったモノたちも何十年かの時を経て大方揃えることが出来た。当分の間、物欲は落ち着いてくれることだろう。それにあまりモノばかりを追いかけていたらせっかく手に入れたそれらを使う時間がなくなってしまいそうである。