猫の親方、犬の棟梁


GW明け暑い日が続いている。昨日は自宅で左官工事をして過ごした。工事といっても素人のすることである。ホーム・センターで10kgのお手軽セメントセットを買い入れ、それを水で適当に溶きコテを使って陥没した部分を埋めるといった簡単なものである。出来上がりの見栄えも気にしないことにした。さて、コンクリートに猫や犬の足跡が残っているのを見た人は多いだろう。左官やさんがキレイに表面を平らに仕上げた後にどこからともなく犬や猫がやってきては足跡を付ける。彼らはセメントの匂いが好きなのだろうか。マタタビに吸い寄せられるように恍惚としながら足を踏み入れてしまうのか?それとも泥んこ遊びをする子供の心情に似たものか?大汗をかきながらセメントを捏ね、そんな平和な疑問について考えてみた。そして出た答えはこうである。犬、猫の足跡マークはその仕事に対する評価である。足跡を付けてもらえれば「合格」「いい仕事したね」なのだ。マークがなければ「まだまだ修行が足りない」という意味。では僕のした仕事の評価はどうだったか。言わずもがなである。足跡はおろか犬や猫の親方が見に来た気配すらない。