「銘機浪漫」

エイ出版社(エイは木編に世と書くが変換出来ないのでカタカナ表記とした)から出ている本で「銘機浪漫」という本がある。著者はフォトグラファーの森谷修氏。この出版社からは藤田一咲氏も「ハッセルブラッドの時間」をはじめ「乙女写真の時間」「猫と写真の時間」など数冊の本を出している。「銘機浪漫」ではハッセル、ライカローライフレックスなど氏のご愛用のカメラを通して撮影の話、レンズの特性などが分りやすく書かれている。HOW TO本ではなく実際にそのカメラに惚れ込んで使っている人の話は面白く大変参考になる。文面からはカメラに対する愛情さえ伝わってくる。ライカもツァイスも使わずにコレクションしている人が結構いる。別にそれはそれでその人の自由だから僕がとやかく言う筋合いのものではない。だがカメラは写真を撮るという仕事を持った道具である。ボディだけでもレンズだけでも写真は撮れない。飾ってあるだけでは尚更のことだ。夜な夜なカメラをドライボックスから出しては磨いたり、巻き上げたり、シャッターを切ったりという作業はコレクターにとって楽しいことに違いないだろう。確かに銘機といわれるカメラにはそれだけでも所有者を満足させるだけの魅力があることは認める。巻上げがスムーズなカメラだったり、シャッターの何ともいえない感触や音だったりと・・・。  実際にカメラを使って仕事をしている人の話はコレクションだけでは味わえない多くの魅力を教えてくれる。「銘機浪漫」を読み終えた僕はカメラを持って何処に行こうかと週末の天気を気にしだしている。