シャッター・チャンス

ラジオでは今でも生番組は健在だが、テレビでは報道の中継やスポーツ番組以外は殆ど生番組というものがない。写真のジャンルにスナップというものがある。私見だが、僕はスナップはラジオやテレビでいうところの生番組だと思っている。大筋や流れはあるのだが、何が起こるか分からないし、何も起こらないかもしれない。何の変哲もない交差点でも人が通ることによって景色は変わり魅力的なものになったりする。いつだったか六本木の交差点でリカベント(自転車の一つで車でいうF1カーのように体をほぼL字形にして乗る)を駆る外人を見かけたことがある。人や車の雑踏の中異彩を放った光景だった。絵になる!真正面からでも真横からでも真後ろからでもいい!然し、運が悪いのか修行が足りないのかそんな時に限ってカメラを持っていない。確か浅井慎平が著作の中で「常にカメラを持ち、フィルムが入ってなくてもいいと思った瞬間にはシャッターを切れ」と言っていた。日々そういった習慣付けをしていないとここぞという時をみすみす逃してしまう。