ハエにも劣るマスコミの報道姿勢

死肉に群がる獣の代名詞といえばハイエナだが酒井法子に対する一連のマスコミ報道を見聞きする度に僕の連想はハイエナではなくハエを思いおこす。報道内容は使用した薬物の種類は違えど押尾学の件などどこかに吹っ飛んでしまい酒井一色になっている。有名芸能人だから騒ぎをおこせば取材が殺到するのは仕方ないにしろ普段報道の中立性などと臆面もなく謳っている輩達全てが右へ倣いし、実際人が亡くなっている事件は追いかけないというのはどういうことなのだろう。マスコミは事件を起こした一般人の両親や祖父母の元へまで執拗に取材を掛けてきた。ところが今回は逃亡を助けたとも思える酒井の関係者に対してはまるでアンタッチャブルかの如きである。事件を起こした本人がそれ相応の対応や責任をとるのは当然ではある。だが、芸能界の麻薬汚染などとセンセーショナルなお題目を付けて正義の名の下に一人だけを生贄にしているやり方はどうも腑に落ちない。普段と同じように関係者などを徹底的に取材しない理由は何なのだろう。下手に動くと都合が悪くなることでもあるのか。それとも何らかの圧力でもあるのか。だとしたらマスコミ各社は報道の自由を守るためにもそういったものととことん戦うべきではないのか。もしも戦えない、或いは戦わない理由があるのならば正直に自らの限界を吐露すべきだ。確かに酒井はニュース・ソースとして申し分ない素材なのだろう。だがいい大人がこの件で右往左往している姿はあまりにも馬鹿馬鹿しく見苦しい。そしてそんな取材結果である連日連夜の薄っぺらな報道はうんざりする。