2番目


何かと話題になった事業仕分けが終わった。その中で特に気になったのは科学技術に関するやり取りの中での「どうしてナンバー1じゃなければならないのですか?ナンバー2ではいけないのですか?」といった女性議員の発言。予算の要求が適切かどうかはともかくとして科学技術の開発、研究で最初から2番目狙いなどということは果たして有り得るのだろうか?科学技術は厳しいALL OR NOTHINGの世界ではないのか。日本の方向性として宇宙開発やコンピューター開発はしない、という話ならば分かるのだが・・・。当然、学者達の反論が起こったが、皮肉なものでその直後、地方の大学の先生が秋葉原で買い集めた民生品を使って最速コンピューターを作ってしまった。費用は驚くほど安価にだった。科学に限らず研究には金がかかる。資金は潤沢に越したことはないだろう。だが、金が無ければその分知恵を絞るのも事実だ。蛍の光や窓の雪明りで研究しろとは無理な話だが、無いことの不自由さの中で生み出されるものは革新的で面白そうな気がしてならない。ナンバー2に因んで2番目の話。電話で世界に最初に通話をしたのはベル博士。相手は協力者のトーマス・ワトソン。「用事があるのでこっちまで来てくれ」というのが会話の内容だったそうだ。では世界で2番目は誰か。これが日本人だという。ベルとワトソンの会話の直後、井沢修二(後に東京音大初代校長)と金子堅太郎(明治政府司法大臣)が電話を使って話したそうである。会話の内容はまったく記録に残っていないのが残念だ。