チープなコンパクトでいこう!


クリスマスといって浮かれる歳でもないが年々この街のこの季節は淋しくなってきているような気がする。電飾をあしらったツリーを飾るお店はなく、ドアやショーウィンドーに小さなリースが飾られるくらい。ケーキやさんの店頭も普段とあまり変わらない。サンタの衣装を身に着けているのはパチンコやさんの店員くらいだ。表通りでもそんな具合だから裏通りになれば尚更である。昔はもっと浮かれた期間が長かったように思うのだがこれも不景気のせいなのか。それともクリスマスという行事がパーソナルなものとして定着したのか。★先日巨漢F4の話を書いた。重いだの、大きいだのとさんざん不満を書いた。AFが遅いとも書いた。だが何もこれはF4に限ったことではない。AFの話は別だが、大きさ、重さについては各社フラッグ・シップといわれる機種は大体そんなものである。頑丈で多くの機能を詰め込めば当然大きく、重くもなる。フィルムからデジタルに変わってもプロやハイ・アマチュア御用達のものはその約束からまぬがれない。だが、写真を撮る道具として考えた時、必ずしもこれらのハイ・スペック機が万能なのかというと疑問が残る。機動性が悪く、操作が煩雑なフラッグ・シップは写真表現の仕方によっては無用どころか害なのではないかとも考えられる。単焦点、モノクロ・フィルム、ポケットから出して押せば写るといったチープな機材の方がいい場合も数多くある。当たっているかどうかは分からないが森山大道氏の写真集を見ながらそんなことを感じた。