J・レノンと忠臣蔵

2010年も終はらうとしてゐる。僕にとつて今年はどんな年だつたか。直近の出来事で言ふと歳をとつたな、と感じた年であつた。何故か。12月8日はジヨン・レノンの命日でこの日が近づくと毎年彼や彼の音楽について話をするのが常だつた。勿論今年も多少はそんな時間を過ごしたのだが、その回数と量的時間が減つた。その代わりではないが市川雷蔵忠臣蔵を見て、テレビでは田村正和のものを見た。忠臣蔵の話題の方が圧倒的に多くなつた。去年まではなかつた事である。一年は一年であり、急に歳をとるなんて有り得ない。感覚的にはまだ明るいから大丈夫と思つて遊んでゐるうちに気が付くと辺りが真つ暗になつてゐた子供の時に感じた気持ちのやうなものか。だが、僕はこの自分の変化がシヨツクでもなければ嫌でもない。むしろ楽しいと感じてしまふ。これは新しい自分の発見であり、自らの可能性の広がりであると歓迎してゐる。