再会


世の中には面倒見のいい人が居る。去年の秋に狭山湖で出会つたチネリの人がさうである。あれからメールでのやりとり(僕からの一方的な質問ばかりなのだが)が続き、その都度懇切丁寧に教へてもらつて僕はますますピストにのめり込んだ。然しながら未だにど素人の域である。それでも嫌がつたり、面倒臭さうな顔をせずに付き合つてくれる。感心するのは面倒見だけではない。複雑で奥が深い話、つまりそれ相当の知識がなければ置いてけぼりを食らひさうな話を楽しく話して聞かせるのである。僕などには到底真似出来ない芸当である。毎度感心させられ、そして感謝、感謝なのである。この日(1月29日)も僕のお願ひで狭山湖まで来てくれた。自転車の話で夢中になり、気が付くと辺りは真つ暗だつた。