ポツプ・コーンを片手に

僕は普段から自転車で移動することが多い。それでも車を使はざるを得ない時がある。今日は所用で都内まで行つたのだが、ガソリン・スタンドは長蛇の列でうつかり左側の車線なぞに入つたら最後、さつぱり動かない渋滞に巻き込まれてしまふ。これは自然渋滞ではなく、給油待ちの渋滞だと気が付き慌てて右車線に出やうとするのだが、右車線の車は渋滞を尻目にビユンビユン飛ばして走るものだから思ふやうに脱出出来ない。最後尾の車がハザード・ランプでも点けてくれていればそんなことは回避出来るのだが、それはドライバーの良識?善意に頼るしかない。それにしても切実にガソリンが必要な人がそれほど多いのか甚だ疑問である。車のガソリン量が減れば不安だらうが、満タンにして安心を得るだけといふ人も多いだらう。とりあえず乗る必要がない人はこんな時には自粛すべきだ。
計画停電、毎日発生する地震などが不安に拍車をかけてゐるのだがそれにしてもあまりに冷静さを欠いていやしないか。まるで銀行の取り付け騒ぎのやうに皆が
食品を買ひ漁る姿はうんざりする。平時に映画館でポツプ・コーンを片手にスクリーンを見る人と大量に食べ物を買つた人が自宅のテレビで被災地のニユースを見る姿が重なるのは僕だけだらうか。