予習・復習・実践

昔から予習、復習なんてものとは縁遠く、その性質は半世紀経つた今でも変はらない。それでも山歩きをするやうになつてからは少しずつやつてゐる。性に合はぬからでは済まされない。準備不足は事故に直結する。さて、歩かうとする山を決めるのにはガイド・ブツクやネツトからの情報が役立つ。だが、これをまるつきり鵜呑みにすることは出来ない。例として、山を大雑把に初級、中級、上級と三つ分けてあるのが殆どだが、何をもつて初級なのか、中級なのかが判然としない。ネツトの場合は実際にその山に登つたことがある人が紹介してゐることが多く、それを読めば紹介者の登山歴などから凡そのイメージを持つことが出来る。だが、ガイド・ブツクの場合はさうではない。初級と上級の差であれば「僕なぞにはこの山はまだまだ無理」と何となく分かるのだが、初級と中級だと「どつちなのよ?」と思ふことしばしばである。参考所要時間なのか、距離なのか、高低差なのか、登山道の険しさなのか、色々な要素があるので迷つてしまふ。山で道迷ひするのは困るが行く前に迷ふのも困る。登山地図を見て等高線から地形を読んでイメージを膨らませ・・・なんてことが最初から出来る筈もなく、とにかく行つてみるか、となる。予習、復習、そして実践を重ねる毎に頭も体も理解するだらうことを期待してゐる。