キツズ・カンパニーを読んで


石月さんの未発表の小説、『キツズ・カンパニー』を拝読させて頂きました。
戦中、戦後の焼け野原と化した東京の街を舞台に子供達が知恵と信頼を武器に逞しく生きる作品です。どんな状況下であつても自分自身、そして人としての誇りを見失ふことなく、信頼出来る仲間と生き抜く姿は爽快です。薄汚い大人達のやり口に屈せず、逆にやりこめる場面は痛快でした。
この小説をジヤンル分けすることはさして意味のないことなのでせうが、僕が他者に薦めるにあたり「実に面白いハードボイルド小説」といつた紹介の仕方になることでせう。