ONCE UPON A TIME IN AMERICA

年齢を重ねてくると色々な物事に対して興味を持てなくなってくるという。僕の場合もそれに漏れず、生来の面倒くさがりと排他的な性格がそれを助長しているようだ。自分を取り巻く世界は広い筈なのに自ら門戸を狭めてしまっている。良く知っているものが好きで、何だか聞きなれなかったり、見慣れていないものは根拠も無いのに嫌いと結論付ける。広く浅くは知ろうとせず、狭く深くなっていく。そんな調子だから僕は同じ映画を何度も飽きずに観たりする。自分の中のベスト3の映画はもう何年もその地位を不動のものにしている。音楽もたまには新しいものも聞くが車のハードディスクに入れるアルバムは何十年も前に聴いたものばかり。小説なども然り。若い頃に観たり、聴いたり、読んだりしたものの遺産で生活しているような気分になる。それでも本人は「これじゃあいかん」とか「もっと新しいものを吸収しなければ」などとはとんと思わない。逆にそんな自分を結構気に入っている。時には懐古趣味と言われ、負け惜しみ気味に「文化の継承者なのだ」とはつっぱってはいるけれど・・・。そんな文化の継承者が掲げる映画ベスト1は 「ONCE UPON A TIME IN AMERICA」!前述のようにもう20年近く第一位の座に君臨し続けている。