不自由の方がいい組織

ホテル業を展開する企業の懸賞論文に現役自衛官の幹部が応募して優秀な成績を収めた。田母神俊雄航空幕僚長(60)は以前にも違憲判決について「そんなの関係ねぇ」発言をして波紋をおこした人物だ。日本に軍隊がないとされている以上彼は自衛官であっても軍人ではないのかもしれないが、それは机上のことであって現実的ではない。文民にコントロールされる立場にある人物であることは間違いない。自衛官にどのような思想、信条があっても自由だとは思う。だが、そのような立場にある人間が軽々に持論を公にすることは如何なものだろうか?コントロール下にある立場を自覚していれば「そんなの関係ねぇ」ではなく「ノーコメント」だったのではないだろうか。今回の論文にしても時の政府見解と違うとかの問題ではない。政府は論文の内容よりも発言そのものについて彼に責任追及すべきではないか。シビリアン・コントロールの重要性よりもお国と違うことを言った彼に面子をつぶされた事の方をより問題視しているように見えてならない。国民は自衛官歴史認識よりも公然と持論を展開するようになった自衛隊内の自由の方が恐ろしいと感じているのではないかと思う。