シェアリング他

以前は「アメリカが咳をすれば(日本は)風邪をひく」と言われていたが、今や全世界が風邪をひく。大会社は自国だけでなく世界中に拠点を置き、多くの社員を抱えている。好景気の時は多くの利益を生むが一度不況になるとその巨体が逆に負担になる。不景気の荒波に耐えられない企業は倒れていく。それでもまた新しい企業は生まれてくる。これが自由主義のダイナミズムというかもしれないが、仏教でいう無常を感じざるを得ない。急激な転換は不可能だということは承知の上で言うのだが、日本は少し方向転換すべきじゃないだろうか。広げすぎた手を自分の体に見合うように見直すいい機会ではないか。いい時は誰も見向きもしない歪な国内の産業構造を改善するのはこんな時しかないような気がする。★経済対策として1人1万2千円の支給の話は頓挫したまま。貰えるのは結構だが、それを貰ったからといって景気がどうこうするとは誰も思っていない。次々と内定取消しをされる来春大学を卒業する若者達。景気の浮上を図るよりも今は働く場所の確保の方が先決だろう。景気を浮上させることにより労働力が必要になるという構図は理屈だが、ではそれまで耐えるしかないのか。食えない、住めない、暮らせないという人間を救うには全員が痛みを分け合うしかない。例えば月に20日働いていた人の仕事を6日分誰かに分ける。一日8時間働いていたパートの人の時間を6時間にする。3人がそうすることにより1人が生きることが出来る。そうやって仕事をシェアリングして乗り切るしかないだろう。それでも最低限暮らせる世の中にするのが政治の仕事。先ずは政治家、役人の仕事をワークシェアリングしなければ誰も痛みを分け合おうなんて思わない。