国分寺駅北口


好きな街がある。例えば以前このブログでも画像をアップした福生の米軍キャンプの町並みや青梅の古い街。今日の画像は国分寺駅北口。殿ヶ谷戸公園がある南口は再開発されて整然としているが、取り残された北口は雑多で猥雑さが残っている。僕にはこの猥雑さがたまらない。古いものと新しいもののごった煮。相反するものでも対立せずに佇む。メインを外れて路地に入り込む。タイムスリップしたような感覚になる古い店、店、店。もつやき、立ち飲み、うどん、喫茶店。街は新しくすればきれいにはなる。だが、不思議なことにきれいになると僕には居心地が悪く感じられることもある。僕が学生の頃、府中の街、特に大国魂神社から京王線府中駅までの道程は僕のお気に入りだった。古い商店街、秋の銀杏並木、狭い道、歩き回って楽しい街だった。それが再開発で大きな道、きれいな駅舎にはなったが面白くなくなってしまった。歩いていて息が苦しく、ひどく疲れる街になってしまった。立川しかり、池袋北口しかり。再開発後の街は、どれもスーツを着た爽やかな人間しか立ち入ることを許さないような顔になってしまったように感じてしまうのだ。お堅い人々はそれをいいことだと評価するのだろう。だが少し淫靡なものが好きな人間にとってはつまらない。