子供部屋撤廃のすすめ

いったい今、子供部屋の普及率とはどのくらいあるのだろうか?僕らの頃はまだ兄弟が2〜3人いたので子供一人に一部屋をあてがうのはそう簡単なことではなかったように思う。一部屋に机を二つ並べて、部屋の隅には二段ベッドを置いたりした。最初の頃は自分たちの部屋が出来たことを大層喜んだものだ。だが、生意気にも僕らは与えられた子供部屋に飽き足らず自分だけの部屋がやがて欲しくなった。兄や弟、または姉や妹と喧嘩しながらもその共同の子供部屋を使うことになる。子供たちの自分専用の子供部屋への欲求は成長するにつれて大きくなるのは自然のことだ。だが部屋はそうそう簡単に用意出来るものではない。結果的にはこのような葛藤が子供の独立心を少しずつ醸成していた気がする。だが、今はどうだろう。最初から子供部屋が用意され、そこで寝起きし、勉強し、音楽を聴き、ゲームをし、漫画を読み、友達と携帯でメールをしたり、電話をしたりと何でも出来る。何の不自由さもないこんな環境では親や家からの脱出願望、独立心は生まれてこないのじゃないだろうか。自由があり、衣食住の心配がない。そんな恵まれた環境から敢えて出て行こうなどとは誰も思わないだろう。それが今の晩婚化に繋がっているような気がする。