投げ込みチラシ

ポストに投げ込まれるチラシに風変わりのものが混じるようになってきた。今まではピザ屋や出前専門の寿司屋、近所に出来た建売物件などが主だった。ところが最近『お金のトラブル解決します』『相談無料』『費用の分割可』といった見出しのものが投げ込まれる。広告主は都内の弁護士や司法書士で恥ずかしげもなく顔写真入りのものまである。彼らは主に債務がある人、または以前債務があった人を顧客とし、債権者側に過払い請求を申し立てる。そして債権者から戻ってきた金額の30%近くを報酬として顧客から受け取る。今はこのシノギが大流行しており、電車の中吊り広告は週刊誌などの広告の他は弁護士事務所、司法書士事務所、そして彼らの仇役でもあり、且つ大事なダンベでもある金融会社の広告ばかりが目立つ。彼らにとってこのシノギは実においしい。債務がある人、またはあった人は金の卵を生むニワトリである。または金鉱といってもいい。一時期消費者金融などに債務がある人は1千万人以上といわれた。およそ10人に一人の割合である。当分彼らのシノギは安泰なようである。さて、法テラスについて知らないと答えた人が6割以上いたそうである。国や司法関係者はもっとこのシステムを知ってもらって活用して頂きたいそうだ。だが考えなくとも分る話だが、弁護士が大活躍する社会は良くない社会である。それだけトラブルの件数があり、国民の知恵や習慣などといったものが機能しない世の中ともいえる。宮沢賢治の『雨ニモ負ケズ』の中に
「〜訴訟するものあれば つまらないからやめろといい」という行がある。もっともな話である。