YAMAHA SR400


二輪車の生産終了が止まらない、という記事を見て二輪車メーカーのHPをのぞいて見た。往年の名車達が次々と姿を消している。僕も十代の半ばにオートバイに狂っていた時期があってずいぶんと色々なバイクに乗った。ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4メーカーで乗ったことがないのはカワサキだけだった。中でもヤマハのバイクが好きでGT50,DT90などを乗り継ぎ、初の400ccはSR400だった。当時は一世を風靡したホンダのCB400(通称ヨンフォア)がリニューアルされHAWKⅡの時代になり、ヤマハはツインのGX400とシングルのSR400でホンダの牙城に迫ろうとしていた。僕がヤマハを贔屓にする理由は特にデザインと作りの丁寧さにあった。ホンダ車がコストダウンの為に共用のウインカー・レンズを使っているのに対してヤマハは一機種づつその車のデザインにあったものを使ってオートバイを作った。その姿勢には歴史があって、かつてはタンクにヤマハのマークである音叉を3つ重ねたデザインのエンブレムを七宝焼きで作ったりしたほどだ。そのモノ作りの精神はHY戦争と呼ばれるホンダ対ヤマハのシェア争いが終結するまで保たれた。新機種をどんどん投入しながらも戦いに敗れたヤマハはその後以前のようなモノ作りが出来なくなってしまったように思う。僕がバイクから離れて30年以上経つ。今では当時30万円弱で買えたバイクの値段はほぼ倍になってしまった。この国にとうとうバイク文化は根付くことがなかったように思う。