ハッセルの時間



教会の鐘(リコーGX100)白いハナミズキ(シグマDP1)
今日から大型連休がスタートの人も多いようだ。各地の高速道路の下り車線の渋滞をラジオが伝えていた。
僕は週の真ん中の休日をカメラを持って過ごした。自宅前の公園でノコと近所から遊びに来ている子供たちをモデルにハッセル・ブラードで120のブローニーを1本撮り切った。ハッセルを使ったのは久しぶりだった。色々と制約の多いカメラなので暫く使っていないとまごつくことがある。武骨というか不自由というか、忙しい今の世にはさぞ存在しにくいだろうカメラである。だが、何故かこの手のカメラは手間がかかろうとも撮影者がイラつくようなことがない。普段僕等はメールの返事やパソコンの起動時間などのホンの些細な、そしてごく短時間のラグにさえイライラする。1か0かのデジタル時代になってそういった傾向はますます加速している気がする。だが同じ機械相手でありながらもハッセルやその他のマニュアル・カメラに対してはイラつくことなく寛容でいることが出来る。むしろ僕等はカメラとの時間を楽しんでいるようにさえ感じる。実際はカメラ相手にブツブツと何事かを喋っている訳ではないが
会話をしているとも言えるかもしれない。それともレンズを通して被写体と会話しているのだろうか。どっちにしろ
この本人の自己満足だけを満たしてくれる時間は僕にとって貴重である。何事かに急き立てられているような日常感覚にどっぷり浸かった僕をリセットしてくれる時間なのだ。