自分のことは棚に上げて

民主党マニフェストに対して各界から批判が続出しているようだ。報道でもあるように与党からは「国が破綻する」だの「選挙前のサービスの大安売り」だの叩かれ、JR東海の社長は高速道路の無料化に噛み付いた。彼ら(与党も野党も大会社の経営者も)の発言を聞いていると「自分のことは棚に上げて」とつくづく感じる。先ず野党が出したマニフェストの財源を批判、疑問視するならばここ10年で100兆円も新たに借金を増やした政権政党はどのような返済プランがあったのか問いたい。借金を返す財源もプランもなくやみくもに国民から借り入れをしていたのだとしたら元々返すつもりなどないことになる。これは詐欺というものである。かつて喫煙者はJRのために煙草の値段を上げられたことがあった。屁理屈を言えばJR東海を利用しない人も煙草を吸う限りは等しく負担させられたのだ。今回の野党の高速無料化に対し、利用者が負担すべきものを利用しない人にまで負担させるのは〜といった発言のJR東海はまさに「自分のことは棚に上げて」である。高速料金がなくなることになると鉄道事業に影響が出るだろうという心配は理解出来る。だが、そういった本音を隠して尤もらしい理屈を言うのは姑息というものだ。面の皮が厚いという言い方があるが、きっと彼らの面の皮は何重にもなっているだろう。でなければこうまで「自分のことは棚に上げて」他者を批判出来よう筈がない。