宿谷の滝


埼玉県毛呂山町の宿谷の滝。シグマDP1にて撮影。コンデジながらもこのカメラの吐き出す画にはいつも驚かされる。質感、立体感などの描写は秀逸だ。動きモノに弱いことや書き込み速度が遅いことなど欠点をあげつらう人もいるが風景撮影に限定と割り切って使えばそういった点は無視出来る。一枚撮ってから次の撮影に入るまでのメモリー・カードに記録中というインターバルはこのカメラにとってかえって心地いいものにさえ思える。大昔にフィルムをダイアルやレバーで巻き上げていた頃の撮影後の一呼吸と似ているような気がする。この待ち時間は僕には丁度いい間である。ファインダーを覗いてシャッターに指をかける。時間が止まり僕の呼吸も止まる。何も聞こえない。静かにシャッターを切る。その瞬間、降るような蝉の声や滝の音がいっぺんに耳に流れ込んできた。