IMAGE MONSTER EOS7D

ここのところずっと沈黙を守ってきたキャノンが新製品EOS7Dを発売する。セカンド・ネームにイメージ・モンスターと臆面もなくつけるだけあってそのスペックは物凄いようである。自称ニコン党の僕だが手持ちの機材は実はキャノンの方が多い。これは代写の仕事があった頃、依頼主からの要望でキャノンの機材が望ましいという意向があったためだ。代写には必ず2台のカメラを持っていく。どちらか1台がトラブルになっても対応しなければならないからだ。そのためデジタルでは5D,40Dの2台体制、フィルムも1V1RSの2台体制になった。代写に使用するカメラは所謂フラッグ・シップである必要はまったくない。どんなカメラを使おうが依頼主は写真にお金を払うのであってカメラに払うわけではないからだ。写真の出来はカメラよりもレンズの方が関係する。高価で重く大きいカメラやレンズを使うのは本人の趣味とハッタリでしかない。確かにそれらのカメラはいい写真が撮れそうな幻想を抱かせてくれる部分はあるのだがあくまで幻想でしかない。話を戻すと代写は廃業状態である。趣味の写真は最近では大概中版でばかり撮る。ライカ版を使う機会はめっきり少なくなった。撮ってもコンパクトくらいである。デジタルもリコーのGXかシグマのDP1が多く5D,40Dは冬眠から未だ目覚めていない。そんな中での7Dの登場である。いっそのこと5Dと40Dを下取りに出して購入しようかと思うくらいのスペックである。1800万画素に防塵、防滴仕様、連写速度も他のミドル・クラスのカメラを圧倒する。今までキャノンの一桁はフル・サイズが基本だった。だが今回フォーマットが小さいながらも一桁の7Dとした。このハイ・スペックは「一桁だの二桁だの細かい事は言わせない」的な力技なのだろう。その他にも今回はシャッター音にまで拘ったという。大技だけでなく小技も併せ持った機種のようである。フィルムカメラは行くつくところまで行き既にF6で完成を見た感があるがデジタルはまだまだ伸びしろがある。切りのない開発競争は果てしなく続く。だがシャッター音にしろ暴力的とさえ思えるスペックにしろ7Dはこの先長い間後続機を出さない戦略のような気がする。かつて矢継ぎ早に新機種を出しユーザーに悔しい思いをさせてきたキャノンのやり方とは違うのではないかと思う。僕がニコン党である理由はそういったキャノンのやり口が嫌いだったからでもある。だがエントリー機に限って言えば最近では大家であるニコンの方が以前のキャノン的な商売をするようになってきたように感じるのは僕だけだろうか。