3題

今更ながらとは思ふがマスコミの破廉恥さに呆れかへる。例の日米間の密約問題の事だ。このスクープをすつぱ抜いた毎日新聞の記者が当時どのやうな扱いをされたかは知つての通り。問題の存在や是非が問はれず、終始記者と情報源である女性との個人的なスキヤンダルばかりの報道合戦を演じた彼らが今度は済ました顔をして論評している。国家の問題をあれこれ論ずる前にもつとすることがあるだらうと思ふ。尤も批判精神の欠如した彼らにそれを求めるのは無理と言ふべきか。★ペンタツクス社からいよいよ中版デジタル・カメラが発売になつた。フイルムの645Nを踏襲するフオルムに有効画素4000万のそれは銀塩派でも気にならなゐといつたらウソになるだらう。価格は80万円以上するが、それでも35mmのフルサイズを擁するニコンキヤノンのフラツグ・シツプとてかなりの実売価格だから決して高くはなゐ。カメラ業界の2強に水をあけられたペンタ社だが中版デジタルならばライバル無しの独壇場である。大ひに期待してゐる。★フジフイルムから変わつたカメラが発売された。昔風にいふとネオ・一眼といわれる光学式フアインダーではなくEVFを装備したレンズ一体式デジタルカメラなのだが、このカメラの「売り」は人を消してしまふモードである。例へば観光地などで有名な建造物を撮る場合、多くの観光客などが辺りをウロウロしていることが殆どだが、絵葉書のやうに建造物だけを写したいといふ欲求を感じたことは誰にもあるだらう。このカメラはさういつた要求に応へるもので1シヤツターで5枚の画像を記録し、それを合成して動く人や車を排除した写真を作つてしまう。人がその場を動かずにゐた場合はだうなのか、どの程度の速度で動くものをスポイルするのかなど実用範囲は如何なものなのか?ユニークな試みの一台である。