万歳は嫌いだ

日曜日の夜はどのテレビ局も参院選の速報番組を垂れ流し続けてゐた。普段、あまりテレビを見る習慣がないのだが、こんな日に限つて天性の天邪鬼が顔を出す。1chから12chまで判で押したやうに選挙番組。当たり前の話だが、実況したからといつて結果は変はらう筈はない。8時に投票が締め切られた時点で結果は決まつてゐる。スポーツならばライブの意味はあるとは思ふ。だが選挙結果を報じる事が番組として成立してしまふ事に疑問を感じる。話は少しそれるが当選した候補は与野党を問はず必ず「万歳」をする。僕はこの行為がとにかく嫌いである。子供から服を脱がせる時に「はい、万歳して」などと促すのは構はないのだが、何時、如何なる場合でも大人の万歳は嫌いである。いい歳をした人間が両腕を高く上げ、脇を見せる格好になるなんとも間抜けに見える無防備な行為。それに加へて同じ言葉を大勢で斉唱するのだから受け付けない人間にはたまつたものではない。何か「万歳」に代るスマートな喜びの表し方はないものだらうか。