ランが亡くなり、家の中のネコ専用のものを片付けた。通販で買つたネコ用炬燵、ふわふわの柔らかい生地でトラネコ模様のネコの家、食器、玄関に置いたネコトイレ。買い置きしてあつた餌やトイレの砂はやはり高齢猫を飼ふ近所の方にお譲りした。これらがすべて片付けられると妙に家の中が広く感じられる。家猫の場合、たかだか３ｋｇほどのネコが生きていくためにもこれだけのモノとスペースは必要だつたのだな、と改めて感じる。犬猫合はせて４匹でスタートした生活もノコだけになつてしまつた。いつたいノコはどう考へてゐるのだらう？と思ふ時がある。いやなことをされれば犬でもネコでもそれを記憶する。だつたら仲間との楽しかつた記憶もあるだらう。犬の気持ちを理解する術がないので何とも言へない。だが雑事に振り回されることのないノコの方が、僕が感じる妙な広さや喪失感をより高い純度で感じてゐるのではないか？
