順番と読み方

疑問を持たないといふことは恐ろしいものである。ある時に知つた知識がそのまま間違つたまま記憶され、ずつとそれを正解であると思ひ込んでしまふ。お恥ずかしい話だが、例えば双子の順番だが、僕は先に生まれた方が次男、次女だと信じてゐた。どこかでそんなふうに聞きかじり、何の疑問も持たずにそんなものなのだと思ひ続けてきた。確かに習慣上はそんな事もあつたらしいが、戸籍法上では先に生まれた方が兄や姉になり、それは昔から決まつてゐたらしい。双子以上の場合は生まれてくる時間差も生じるので兄弟で誕生日や誕生年も違ふ場合がある。確かに言はれてみればその通りである。大晦日が誕生日の人もいれば明けて元旦ということもあり得る。今では生まれた順番通りに兄や姉が決まるといふことである。☆昔はウイルスのことをビールスと言つたものである。だから初めてウイルスといふ言葉を聞いた時にはビールスとは別物かと思つた。だが、ウイルスといふものの性質を知れば知るほどビールスとの違ひが判らなくなつてくる。違ひなどあらう筈もなく両者は読み方が違つただけで同じものだとは随分と経つてから知つた。ビールスは独語でウイルスは確かラテン語である。英語だとヴアイラスになる。