多摩川サイクリング・ロード

昨日は、所用で自宅のある埼玉県から八王子市まで自転車で行つた。この日の選択はスポルテイーフのラレー号だ。
用事は二時間で終はり、高瀬といふ鰻屋さんで特上をご馳走になつた。この鰻屋さんは何方かの小説の中で紹介されたことがあるらしい。日曜日のお昼といふこともあり、客はひつきりなしにやつてくる。予め電話で予約を入れておいてもらつたので僕らはすぐに通されたが、飛び込みの客は随分と待たされることだらう。鰻屋さんでは待つのが当たり前なのだが、すきつ腹に鰻の焼ける匂いは少々罪である。鰻待ちの客の顔は待つほどに険しくなつてくる気がする。
鰻屋さんで暇を告げ、僕は多摩大橋北から多摩川サイクリング・ロードに乗つた。この道を走るのは初めてだ。埼玉の入間川サイクリング・ロードよりも道幅は広く、道路もいい。目指すは羽田沖だ。色とりどりの自転車で行き交ふローデイ、苦しさうな表情で走るランナー、犬の散歩をする人、河川敷の少年野球。そんな光景が延々と続く。八王子を出発して府中に至ると郷土の森が左手に見へる。白梅よりも先に咲く紅梅が見頃を迎へてゐた。僕は更に先へとペダルを回し、世田谷の辺りでトイレ休憩。サイクリング・ロードを降り、一般道へ出てコンビにを探す。タバコに火をつけて
二本吸つたところで何だか急に里心が付く。あつさりと今日はここまでと思ひ切り、ナビを起動して帰路につく。狛江、仙川、三鷹、田無を抜けて無事帰還。自宅からの総距離はざつと走行距離は80キロ位だらうか。次はきつと羽田沖まで行つてみるつもりだ。