気仙沼の今


震災から一年経つた現在の気仙沼港。どんよりとした雲が立ち込める三月下旬。冷たい風。潮の匂い。ウミネコの声。津波によつて引き剥がされ、所々、基礎部分だけが残つた大地。ここで亡くなつた人の遺族なのだらうか、花束を手向ける人の姿があつた。この地を写真に撮ることには何か後ろめたさに似たものを感じてしまふ。