終戦記念日に思ふ

13日はノコの四十九日だつた。朝晩にお線香をあげただけの簡素な法事だつた。僕はこれでいいと思つてゐる。今でも寂しさは当然ある。だが、ノコは倒れてから僕に十分な世話の時間、覚悟させる時間をくれた。 PPKといふ死に方があるさうだ。ピンピンコロリの略である。この死に方は本人も周りの人も楽である。だが、何の前触れもなしに突然、自分の命、自分が大切に思ふ相手の命が消えてしまふのは何ともやりきれない。人は生まれ、育ち、老ひ、そして死んでいく。それが当たり前の死に方だらう。爆弾によつて一瞬にして命を奪はれるやうな死に方は人の死に方ではない。今日、終戦記念日