大福餅

世界的な金融市場の大荒れで英国のエリザベス女王の資産が何十億円だか損失したそうだ。僕は根が単純なので難しい話は難しいままでは分からない。だから物事を単純化して考える癖がある。どこまでいっても難しい話は単純な話にはならないものなのかも知れないが、下手な鉄砲数打ちゃ当たるということもままある。そこで今回も単純に考えてみることにする。英国女王がいったいどれほどの株を保有していたのか、また元々いくらで買った株なのかは知らない。僕が1万円を持って競馬に行く。第一レースに3000円賭けて外したとする。この時点で3000円の損失。第二レースでは2000円買ってこれが当たり5倍の配当がついた。2000円が10000円になった。手持ちの資金が15000円になった。この時点で5000円の利益。その後最終レースまで遊び、結局残った金が11000円。往復の電車賃が1000円。トントンということになる。こう考えた方が「ああ、今日はよく遊んだ」と思えて納得がいく。だが、違う考え方をする人もいる。第二レースが終わった時点で15000円あったものが、最終レース終了時には11000円になっていたのだからトータル4000円の負けという考え方だ。増えた時点から考えればそういうことになるのは理解出来なくも無い。彼女の場合、例えば30億円で買った株がその後値を上げ、一時80億円になったとする。そして米国発の金融恐慌により、彼女の株価が30億円にまで下がったとする。この場合は50億円の損失なのか?それともトントンなのか?以前ホリエモン時価総額という言葉をしきりと使っていたことがあった。時価というくらいだからその価値は固定されたものではなく、いつでも上げ下げする、値はあってないようなもの。絵に描いた餅が一時10個だったものが1個に減ったからといって騒ぐ。経済活動を全否定するつもりはないが、どうも今のシステム、あり方、人心の方向性に疑問を感じてしまう。何れにしても絵に描いた餅はいつまでたっても食えない餅のまま。食えない餅を今だ!底値だ!買いだ!と飛びついたり、逆に絵に描いた餅が減ってしまう前に売りぬいてしまおうなどと一喜一憂しながらやり取りする。僕は近所の和菓子屋で100円の塩大福を買って食べている方が安心して甘い思いが出来る。