明けましておめでとうございます

自分のブログに「明けましておめでとうございます」とタイトルをつけるのも妙な感じがするが、実際この拙いブログを読んでくれている人がいるので新年の挨拶をしないというのも座りが悪い。さて、毎年正月には寄席にでも出掛けて笑っていようと思うのだが、晦日から人の出入りが始まり元日には初詣、2日には年始参りといつものパターンのお正月。未だに実現していない。早めの風呂に入りながらTBSのラジオ寄席を聞いて過ごす。永六輔の「役者 その世界」を読んでいるが、その中には役者だけでなく落語家や講談師など所謂芸人の言葉が沢山書かれている。昔、芸人の中には稼いだお金を残さずに飲む、打つ、買うといった使い方をする豪傑がいたという話はよく聞く。一般人から見れば理解不能で滅茶苦茶な生き方としか思えない。そうやって遊んだからといって芸の肥やしになるのだろうか?打つと買うまでは素面であろうが、飲んで酔っ払いながらも芸に通じる何かなど掴めるのだろうか?と疑問に思ったことがある。そんな疑問をずっと抱いていたがこの本を読んでやっと理解出来た。芸人が遊んだからといってそれは芸の肥やしにはならないのだろう。それは芸人のテレを隠すいい訳なんじゃないだろうか。稼いだ金は残さず使う。つまり財産を持たないということだ。財産を持てばそれを大事にする。だが、何も無ければ芸が唯一の財産だ。芸を大事にするということなのではないだろうか。「役者 その世界」の中で新藤兼人は「しょせん芸を行うものは無頼の徒である。自由奔放に、女王のようにぜいたくに、自分自身のために大きく生きるべきである」と言っている。