グッバイ 北欧の車


クリスマス・イブの朝、ラジオでボルボが中国の企業に買収されるというニュースを聞いた。同じ北欧のサーブも自動車作りのノウハウだけをやはり中国の会社が買うことになったようだ。これで大好きだったスウェーデンの車が消滅したことになる。V社もS社もそれほど年間の生産台数が多かったメーカーではない。当然1台当たりの生産コストは高くなる。価格競争では不利を強いられる。両社とも遅かれ早かれこういった状況になったのかもしれないが、個人的には世界の自動車業界の再編成がこれを加速させてしまったように思える。経済に明るい人は僕とまったく逆の意見をお持ちの方もいるだろうが・・・。あの時慌てて米企業の大きな傘の下に入らない方が賢明だったのではないだろうか。小さくともそれなりの商売をしている方が長持ちしたように思えてならないのだ。資本を注入してもらった代わりに知恵を捨ててしまったように感じるのだ。車は乗れれば何でもいいという人もいれば拘りを持つ人も多い。品質においてもスピリットにおいてもV社とS社の車は唯一無二のものがあった。北欧文化が継承される車がなくなったのが残念でならない。