CONTAX TVS 嫁入りする

プリントをだしてゐる写真館の店主の元にこの度TVSが嫁入りした。彼女は初代のもので通常TVSとだけ表記される。
2代目からはTVSⅡとなり、評判の良くなかつたフアインダーに改良が加へられ明るいものになつた。初代は電源OFF時にはフアインダー内にOFFの表示があり、その機構は好きなものだつた。この機構は?からは廃止されてしまつて残念な気がした思ひ出がある。一時期TVSは、今回嫁入りしたものを含め合計4台あつた。内訳は初代が1、?が2、?が1である。世間では?の評判が一番良く今でもオークシヨンでは一番高値で取引されてゐる。世の中がデジタル一色の時代になつてもフイルム・カメラ、それも発売から10年以上経過したものでも値段が付く。値段が付くといふことは当然ながらお金を払つても欲しい人がゐるといふ事である。10年以上経過したデジタル・カメラには恐らく値段は付かないだらう。性能が日進月歩のデジタルの世界にあつては当然のことである。その点では行き着く所まで行つてしまつたフイルム・カメラはこれ以上性能が追ひ越されることがなゐ。つまり最高のまま停まつてゐるのである。 嫁入りしたTVSはコンタツクスの名家に生まれ、僕の元で大事にされてきた。だから状態も最高のままである。今度のオーナーもきつと大切にしてくれるだらうと思ふ。