反乱に拍手

幼い頃、こんな経験をした人は多いのではないだらうか。子供同士で喧嘩をして、負けた方がとりあえずその場では謝る。勝つた方は相手が負けを認め抵抗の意思がないと分かつたので許す。お互いその場は収めて帰途に着くのだが、負けた方は相手との距離が大分あるなと見るや「ばあか!」などと大声で罵る。勝つた方は追ひかけるにも距離がありすぎて届かない。こんなことをした人、された人、見た人はきつとある筈だ。負けた方は安全圏からものを言ふのだから
後々自分で空しさを感じるか否かはともかく、負けた悔しさを一時的に晴らせるのだらう。某球団の首脳部の確執問題。俗に清武の乱と言ふらしい。自らと同じ思ひと信じてゐた?人には裏切られてしまつたが、このGMは安全圏からではなく敵地に突つ込んで行つた。それ故に自爆テロなどとも揶揄された。この件に関し、あるラジオ番組がリスナーに街頭調査をしたところ「革命だ」「よくやつた」がおよそ6割、「反逆だ」などの反対意見が4割だつた。反対意見の中にはやり方が悪いといつたものもあつた。事を起こすにあたり、周到な準備(根回し)が出来ていないといつたのがその理由だつた。なるほど人は理論では動かない。いくら真当な意見であつても意見を成就させるため、軋轢を回避するためにはそんなことも必要なのだらう。だが、果たしてあの会社でそんなことが出来るのか否かは甚だ疑問だ。まるでどこかの将軍様の如く強大な権力を一手にしてゐる相手に反旗を翻す仲間を集めるなんてことが出来たのだらうか。
社内はもとより多くのこの球団の出身者などもこの元GMに対して批判的である。解説者のH氏の「親に噛み付いたらいかん」などとまるで的外れな発言は思わず笑つてしまふ。それとは反対に阪神フアンの多い関西では好意的な様子である。僕は阪神フアンではないが、この元GMのたつた一人の反乱には拍手を送りたい