ひよんなことから・・・

ひよんなことからあることに気付き、愕然とすることがある。
何の話かと言へば携帯電話だのスマホだのの通信機器のことだ。
メールを送つたり電話をした記録は自分の送信記録、送話記録に残る。相手がすぐに電話に出られなくとも着信記録が残るのでそのうち電話してくるだらうとこちらは勝手に思ふ。メールの場合も同様で、後で読めば何らかの返事がくるだらうと期待する。ところが何が原因なのか分からないが送つた筈のものが相手に届かなかつたり、電話の呼び出し音も鳴らず、着信記録も残らずなんてことがままある。こちらは間違ひなく送つたのだし、証拠の記録もあるのだから勢ひ相手方を責めてしまふ。人は間違へるが、機械は完璧だといつの間にか
我々は信じて疑はなくなつてしまつた。これはよくよく考へると恐ろしく変なことではないか。何年、何十年も積み重ねて築いた人間関係よりもあんなぽつと出の機器を信じてしまふなんて馬鹿げた話だ。然し、人と人との関係はそれほどまでに信じられないものになつてしまつたのだ考へると愕然とてしまふ。