携帯電話考

電車に乗ると多くの人が携帯電話でメールやらデータ通信やらをしているのを見かける。乗客が電車内で電話をかけるというのは見たことが、逆に電話を受けているのはよく目にする。携帯電話から発する微弱な電波がペースメーカーなどを体内に埋め込んでいる人に対して悪影響を与えることがあるのは知らない人はいないだろう。それによって重大な事故も報告されている。
それでもいっこうに電車内での携帯利用者は減った様子がない。電鉄各社はいっそのこと電車内では携帯が使えなくなるような方法をとったらどうだろう。携帯の電波をカットしてしまう装置があるらしい。民生品なので価格も高くはないようである。本来電車に乗るときはあらかじめマナーモードにして「只今電車に乗っています」のようなアナウンスが流れるようにすればいいことなのだが、忘れてしまうこともあるだろう。かかってきた電話に出ないのも精神的に負荷がかかるものである。ならば前述のようにかからなくしてしまえば気分的にも楽である。用がある人は何度も電話をかけるであろうし、その時に電車に乗っていたと相手に伝えればよい。電車の中=携帯は通じない空間という図式が常識になれば相手も納得するだろう。今の状況だと相手からは何度も電話しているのに出ないと咎められることもあるが、通じなくすれば「電車になんか乗っているな」とは相手も言えないだろう。考えてみると我々は四六時中電話に縛られている。家ではトイレから出る度に、風呂から上がる度に携帯の着信を確認するといった謂わば中毒的な症状である。せめて電車の中くらいは携帯から開放されてもいいんではないだろうか。それによって要らぬ身体的な被害や精神的な被害がなくなるのならば結構な話である。慣れれば開放されることによって乗客のマナーも良くなりそうな予感がする。