方向

日本人のカメラ保有台数は昔に比べはるかに多くなった。物にもよるが、ハッセル・ブラードなどは家が1軒買えるくらいの値段だった時代があったそうだ。今は1000円以下のレンズ付きフィルムカメラから100万円近い価格のデジタル一眼レフまで幅広い価格帯がある。自分に見合った価格のカメラが買えるいい時代とも言える。フィルムカメラデジタルカメラに押されて衰退の一途を辿っている。フィルムの売り上げもガタ落ちでプリントの依頼も激減。ではデジタルのプリントは増えているかというと最近ではそうでもないらしい。モニターで見るだけ、DVDに焼いてテレビで見るだけといったスタイルになってきているそうである。カメラ量販店でも5年後には今のようにカメラを売ってプリントで利益を出すという業態ではなくなるかもしれないと考えているそうだ。新しい技術は古くからある技術を根こそぎ駆逐し、そこに携わっていた人々を過去に追いやってしまう。それが流れというものかもしれない。だが何十年も前に作られたライカのレンズが今でも使えるカメラがあるように何とか共存出来ないものかと心配している。人も技術も古いものを現代に生かすような方向へ向かって欲しい。