恐竜

米最大手自動車会社であるGMが破産を申請した。そのこと自体は既にお決まりの結末だったので別段驚くことではない。予定通りの結果である。僕が問題にしたいのは世の中がこんな風にバタバタと倒れる前に遡る。以前我が国でも小さな会社が大きな会社と合併、吸収といったことが多くあった。銀行なども例に漏れず競うように大合併をした。
まるで合言葉のように「大きくなければ生き残れない」「国際競争力」などといった言葉が踊っていたのを覚えている。僕は門外漢なので経済のことは良く分らないがその頃から「本当なのだろうか?」という疑問は持っていた。小さな会社は資本に余裕がないので開発費も宣伝費も大会社に較べれば少ないだろう。生産性も低いのでコストも高い。そうなれば他社と同じプライスで販売しても利益率が低いというのは理解出来る。だが小さい会社は小さいなりの商売をしていれば何とか食っていけるということもあるだろう。個人商店と同じように考えるのは乱暴な気もするが繁盛して店を大きくして駄目になるというのはよく聞く話だ。そのまま努力と時流によって益々栄えることもあるがごくごく少数だろう。体の大きい動物はそれだけ多くの食べ物を必要とする。かつてこの地球を闊歩していた恐竜が絶滅してしまった理由は諸説あるのだろう。僕は体の大きさが一番の理由ではないかと思っている。常に多くの消費者というエサを食い続けていなければ生きていけない恐竜は冷えてしまった消費という大寒波に生き残ることが出来なかった。