ユーザー・レビューに対する苦言

オーディオにしろ、カメラにしろ昔はメーカーのアナウンスによる情報かプロ達(御用プロもそうでないプロも)の発信するものしかなかった。今はあらゆる商品の口コミ情報サイトがありそれを見て判断する人も多いことだろう。僕もたまにサイトを覗いてみるのだがユーザーレビューというのがかなり当てにならない。ビギナーからヘビーユーザーまでの無差別級の書き込みだから見当ハズレなものがあるのも仕方ないことなのだが目に余るひどさのものが多い。そしてそれらは概ね製品に対しての賛辞に向けられたものが多い。例えばオリンパスE-620について。このカメラは僕も所有していていいカメラだと思う。だが、「オリンパス・ブルーが気に入ってこれを買いました」と始まり使ってみた感想として「やはり独特のオリンパス・ブルーは〜」などと書いてあるのを見ると「あらあら・・・」と思う。あのリバーサル・フィルムで撮ったような青はあくまでコダック社からCCDを提供されていた頃の機種の話である。現行機種ではC社のCCDは採用されていない。オリンパス・ブルーそのものを知らずに書き込んでいるのだろうがあまりにお粗末だ。以前、車のユーザー・レビューを書いたことがある。「リア・ワイパーがあるのはいいが半端な長さなのでもう少し長くし拭き取り面積を広げた方が後方視界が良くなる筈だ」といった内容だった。その意見について書き込みがあった。「セダンはワゴンなどに比して後部の風の巻き込みが少ないのでリア・ワイパーを使うほど汚れない」というものだった。これには呆れ果てた。僕はリア・ウインドーに汚れがあれば乗車前に拭いておくことくらいはする。だが、ワイパーは雨の日に使うものだろう。雨降りの夜間に車をバックさせる機会はそれほど少なくない。そんな時十分な拭き取り面積を持ったリア・ワイパーがあれば安全にバックすることが出来るではないか。汚れだの巻き込みだのといった机上の話ではない。実際昔乗っていたギャランのVR4はセダンでありながら広い拭き取りをするワイパーを装備していた。SAABはハッチ・バックだが
Fワイパー使用時にバック・ギアにシフトを入れるとオート・マチックにリア・ワイパーも作動するといった親切な設計だった。多くの人が情報を持ち寄り交換出来るというのは素晴らしいことなのだが、今や情報過多を通り越して氾濫してしまっている。そんな中で必要とする正確な情報を選別するのは大変な作業である。それでも製品はデモ機があれば自分の目で見て、触ってということが出来る。然し美味しい店探しなどはそうはいかない。カメラを肩に掛けてブラブラと街を彷徨し、自分の第六感に頼りながら偶然の出会いを楽しむのがいいのかもしれない。