人生の特等席

現在公開中のC・イーストウツド、エイミー・アダムスの映画を観て来ました。鷹の目を持つベテラン・スカウトマンのガス(C・イーストウツド)とその娘(エイミー・アダムス)の親子のお話。数々の名選手をメジヤーに送り出してきたガス。彼はパソコンもワープロも出来ないし取り入れようともしない頑固者。信じるものは自分の目と長年の経験。そんな彼が頼りとする目が失明するかもしれないといふ状況になる。ドラフトで指名する新人を決めるべく選手を見に行くのだが弱つた目では思ふやうにならない。更に球団はガスの実力に疑問を持つやうになり、データを使つた選手発掘へと方向転換する兆し。長年ガスと共に公私にわたつて付き合つてきたピートはそんなガスの異変にいち早く気付く。彼は娘のミツキーの務める法律事務所に出向き、ガスの状況を伝へる。折りしもミツキーは法律事務所の経営パートナーになれるか否かの大事な時であつた。これから観る人にはネタバレになるのであらすじはこの辺まで。で、感想はいい映画です。ストーリーも単調でどんどん先読みが出来てしまふのですが、そんな予定調和も心地よく感じます。前作の【グラン・トリノ】も良かつたですが後味は苦いものでした。今回の映画はそんなことはありません。ハツピー、ハツピー、ウイン、ウインの話です。ガスを追ひ出さうとしたデータ重視の同僚は木偶の坊選手を獲得してしまつた責任を取らされてクビを宣告されますが、可哀想にとか引きずることはありません。さて、前回の米国大統領選ではロムニー氏を応援したC・イーストウツド。僕なんぞには政治の話は分かりませんが、共和党員である彼の価値観は案外理解、共感出来る部分が多い気がします。